あっ、それ私のです。

言葉ははかない

天守閣の前で滑ちゃダメだ。

 

また間隔が空いてしまった。こうして私はどんどんドウデモイイことをどうでもいいように忘れていってしまうのか。それは実に勿体無い。

 

 

世間はお盆一色。サービス業の当方には全く関係がない。忙しさしかない。それしかない。

そんななか当方明日お休みをいただいたわけだが、休みの前日なのだからやはりそんな夜はハッチャケなければ。

 

そこで先日、友人O氏から誘いが入った。

(友人O氏とは当方の専門学生時代からの友人で、口元に3Dのホクロがある。背が低くツッコミ肌。余談ではあるが今年いっぱいで会社を辞めるらしい)

 

水着を買ってテンションが上がったためプールへ行こうとのこと。それも大阪城前にある特設プールだとのこと。

当方、プールや海があまり好きではない。

上がらぬテンションではあったが実に5年ぶりのプールに無理矢理テンションを上げてオッケーした。(この時点で当方水着を持っていない)

 

そして迎えた今日であるが、まず待ち合わせでもたつく。

 

森ノ宮大阪城公園森ノ宮で降りたけど大阪城公園いこうか?あっ森ノ宮からいけそう。いや、大阪城公園のほうがいい。じゃあ大阪城公園に向かうわ。まだ向かってなかったんかい。

 

ものの2分のLINEでお互いに最低でも4回は"森ノ宮"と"大阪城公園"と発したことだろう。

O氏も当方も粗方察してはいたが、どうやらパリーピーポーが集う空間だったらしい。

DJがいて、ウェイウェイしながらスライダーの列に並んで水深60cmと80cmのプールで皆浮輪を犇きあわせ、セルカ棒を掲げていた。

とりあえず着替えようにも会場のキャパと更衣室のキャパが全く合っていない。

全く合っていない。(二度目)

女たちの表情が醜く歪み、ぐいぐいと互いを押し合いながら更衣室で着替える。

 

こう見えて当方、本日は用意周到で私服の下に水着を着て出勤していたのでこの時の着替えは驚くほど早かった。

(この事実をO氏に伝えると「小学生かよ」と一蹴されて終わった。)

 

プールは入るまでがプールだと感じた。割と深いことを考えていた。

着替え終わった時点で既に今日の山場を越した感じがあった。

スライダーを滑り首が鞭打ちになりかけながらも、そんな結構深いことを考えていた。

 

パリーピーポーまみれの中に行った割には、セクハラだのナンパだのは一切なかった。パーリーピーポーの方々こんな先入観持っててすみせん。どういうことだろうか。それ程まで貧相であったのなら申し訳ない気持ちでいっぱいである。

 

本日最大の目的プールを出てからは2人とも燃え尽き症候群になっており、特に大した会話もないままいつの間にか解散していた。

「今日これからどうする?」「どうしよう」「プールに行くことばっかり考えてたから、この後のこと忘れてたわ。」「じゃあ…帰…る??」「せやな、てかなんやこのフワフワした終わり方。」

本当に何も話さなかった、まるで先ほどまでプールにいたのにいなかったように。

後悔はしてないが、言葉にしないことこそ後悔しそうなニュアンスを含んで「なんか思ってたのとちゃうかったな」とつぶやいたO氏に静かに頷き、ホームにやってきた電車へ乗り込んだ。

 

プールは入るまでがプール。山は降りる時からが山。

てか山の日なんだから全員山行けや

 

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ドロン